2年前にカンヌを始めとする広告賞を総嘗めにしたHBOが、新しいインタラクティブキャンペーン「Imagine」をスタートさせました。「想像する以上のものを。HBO」というタグラインが示すとおり、これまで見たことがない表現アプローチのウェブサイトに仕上っています。
そのコンテンツはというと、これがまさしく迷宮と言える作り。というか、実は僕にもまだ何が何やらわかってない状態なのでうまく説明できません。ウェブサイトでは3Dの空間に多くの映像が漂っており、その中の2つは同じ出来事を4つの方向から見る事ができるようになっています。よく言われるテーマ「物事は様々な角度から見ると違う様相を見せるものだ」をそのまま表現としてるわけです。
このテーマをそのままリニアに表現すると黒沢監督の「羅生門」のような映画に仕上るわけですが、ここでは全ての情報がノンリニアに散らばっており、観客はそれらを集めて自分の頭の中で再編集する必要があります。これはとっても面倒なこと。しかも英語だし。でもなかなか知的なアプローチであり、一見の価値はあります。
さらに、2種類ある4面の動画はNYC、DC、そしてフィラデルフィアで実際に大きな4面スクリーンを作って上映したそうです。あ、違う、今月の17〜19日までNYCで上映され、その後フィラデルフィアで10月1〜3日まで、DCでは10月8〜10日まで上映されるそうです。ウェブ内のアトラクションが現実世界に登場するわけで、こりゃメディアが黙ってませんよね。映画的演劇的アプローチにウェブの技術を加え、イベントとして体感できる「場」まで作るとは、これは用意周到だわ。
代理店はBBDO NY、製作はThe Barbarian Groupが全部仕切ってるようですよ。