大学の同級生井手孝太郎くんが下北沢に設計した新しい住宅を訪問。都会に突如現れた岩の塊に、寄生するような生活スペースが作られるという原初的なイメージから構想。柱状節理を感じさせる多角形のモチーフが全体の造形にルールを与えており、階段や収納、そしてオーダーメイドの家具達が見事に破綻なく配置されている。単純な方形がひとつもない豊穣な空間!中庭が等々力渓谷みたいだし!彼にオーストリアの建築家ギュンタードメニクを感じさせるねと言うと数人の建築家がそう言ったよと笑顔を見せた。彼自身の説明により全空間とそのディテールを深く理解し、素材や手触りも含めた三次元情報を体内に記憶。空間が奏でる音楽を鑑賞するような楽しい時間を過ごしたわけです。
(阿部光史の学生時代の設計作品はこちら)