昨日、ビーコンでのECD業務が終了し、電通に帰任する事になりました。
2008年の6月にスタートしましたから、2年3ヶ月のビーコン勤務となります。その間ECDとしてクリエイティブマネジメントに関する様々な経験を積む事ができました。多くのレオ・バーネットグローバルの友人も出来、世界という視点からクリエイティブを考える事はとても刺激的でした。しかしその一方で悩みがあったことは事実です。広告のアイデアを考える機会は激減し、制作現場にも思ったように関わる事はできませんでした。その結果僕の作品リストは2年3ヶ月の間、ほぼ停止していました。
広告界が揺れている「いま」という時代に新しいモノを作る事ができない、そして第一に考えるべきは未来の広告に対応できる組織の形であり、自分の作品ではない。そういったマネジメントとしての行動要件について、頭では理解できていても心の奥では葛藤を抱えていたようです。次第にこれはビーコンにとっても僕にとっても良い事ではないと考えるようになりました。また数十人の組織を抱えたマネジメントは、自分自身の仕事と両立できるほど生易しいものではありませんでした。
新しい時代の広告に対応できる、強くてフレキシブルな組織、そこに至る道筋を作りかけた所でビーコンを去るのは心残りの部分もあります。しかしこの先のビーコンは、新しく電通から赴任した安田雅彦新ECDが力強く引っ張ってくれるでしょう。またクリエイティブ的な野心を持つメンバーも揃っています。ビーコンの未来は明るいと、心の底から感じつつ退任できるのは幸せだと思います。
2年3ヶ月の間、多くの人にお世話になり、叱咤激励され、そして助けられました。すべては一生の思い出です。本当にありがとうございました。
本日から電通第5クリエイティブ局での勤務がスタートします。ヒラのCDとして、再びクリエイティブの現場から世の中をガタガタ言わせたいと思います。しばらく停まっていたブログも再開します。読者の皆様、これからもgallianoをよろしくお願いします。
阿部 -galliano- 光史