歩くだけで汗が流れる真昼にサマーウォーズを観に行った。夏休みのアニメなので当然のごとく学生が多かったのだが、この映画はすべての年代が見るべき娯楽大作としてお勧めしたい。その理由は3つある。
1:誰もが理解できる家族の物語であること
日本人の大多数は都市部以外をオリジンとしており、そこでは大家族システムがいまだに生きている。この映画は田舎を舞台に大家族が協力して問題解決に挑む話で、それはどこにでもある家族の問題でもあり、どんな年代の観客でも理解ができるように作られている。
2:全ての登場人物が生きていること
20人を超えるキャラクターが出てくる物語なのだが、一人一人のバックグラウンドがていねいに作られていて、各人の行動にそれぞれの動機がある。これはドラマを動かす際にとても重要なファクターなのだ。マンガが原作だとなかなかこうはいかないと思う。アニメーションによる芝居もリアルで、安心して見ることができる。
3:映画としてのアイデアに満ちていること
登場人物のひとりひとりが与えられた役割を過不足なく全うできるようキレイにプログラミングされているので、ストーリーの中で「無駄」や「緩み」がない。さらには緊張感高まる場面でギャグを飛ばしたり、2つの異なった出来事をシンクロさせる編集的テクニックを用いるなど、観客を飽きさせない工夫に満ちている。
大家族が集まるといえばお盆。この映画の舞台も8月1日からの数日となれば、今観に行って、夏の盛りに公開した監督の意図とシンクロすべきでしょうね。僕としては、大人にこそ楽しんでもらいたい。お盆前に、是非。