galliano

ブログ

『バベル』を観る。


アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品、『バベル』を観る。

『バベル』オフィシャルホームページ

現代の世界を155分のフィルムという形式で比喩的に記述しようという壮大な計画にほぼ成功した、大きな存在感を持つ映画。ディスコミニュケーションに満ちあふれた世界の中に垣間見える「思いやり」や「絆」を映画メッセージの核としており、未来世界への明るい展望を抱かせるような展開となっている。

ただしストーリー展開は、物語的というよりは寓話的であり、わたくしにとっては事件性が低いと言わざるを得なかった。映画の登場人物それぞれが持つべき『動機』が弱かったのだ。偶発的に発生する事件に『対処』しているばかり、のように思えたのだ。

それは時にストーリーを前に進めるパワーの欠如を生みだした。簡単に言うと時々退屈したって事なんですが。というわけで『バベル』は、それぞれの登場人物には強い共感を覚えるし、先が読めない緊張感はあるのだが、わたくしの望む『時間のサスペンス』としての映画力が少々足りなかった。

この映画は見てスカッともしないし興奮もしないし明るくなるわけでもない。ただ「私たちの住む世界の現在ってこんな感じにシンドイですね」と、つぶやくように、静かに佇んでいる映画である。絵画的であり、寓話的であり、主題の核は現代文学的でもある。

そして現代文学や寓話とは、現代が抱える病理に鈍感な人間にはとても退屈なものである。この映画に少し退屈を感じたわたくしは、どうやら現代の病理にはあまり頓着していないらしい。そういう結論に落ち着き、わたくしは自分に足りないモノになんとなく気づき、40年の人生に疑問を持ち、少々落ち込んだのであった。

記事が気に入ったら
Galliano's TVC Review!を "いいね!"
Facebookで更新情報をお届け。

【海外CM・映像アーカイブ】
Galliano's TVC Review!

ピックアップ記事

  1. オスプレイが翔ぶ!そして舞う!衝撃の横田基地日米友好祭2018に行ってきました。…
  2. ガリ☆ナイト2018「STAR☆CANTINA」のお知らせ
  3. 週末は芸術に染まる。
  4. 写真に残せない「非常にはっきりとわからない展」を絵で表現してみる。
  5. 退職と新会社設立のご挨拶

関連記事

  1. ブログ

    成山画廊「松井冬子下図展」

    昨夜は九段の成山画廊で開催されている「松井冬子下図展」のオープニングレ…

  2. ブログ

    とんでもない画質のYoutube土星映像!

    来年IMAXで公開される土星の輪の映像なんですが、4K画質という事で話…

  3. ブログ

    Make: Tokyo Meeting 03

    雑誌「Make:&#12…

  4. ブログ

    Peter Root “ephemicropolis”

    砂曼荼羅をご存知でしょうか。チベット仏教の儀式の一つで、床に色の砂を巻…

  5. galliano

    ブログ

    今週の衝動買い

    今週の衝動買い。「コイーバクラブ50's エディション…

  6. galliano

Twitter でフォロー

過去記事一覧

  1. ブログ

    新しい動画配信が始まる。ワーナー・オンデマンド
  2. ブログ

    Craftwife + KURONOZ
  3. ブログ

    awesome human beatbox
  4. ブログ

    Lady Gaga by Mario Testino in V Magazine…
  5. ブログ

    上海の夜<flickerスライドショー>
PAGE TOP