ちと私的な目的で、ホラー映画の勉強が必要になりました。略してホラ勉 in GW。
第一弾として、わたくしが小学校時代に大ヒットした映画「オーメン」を鑑賞。ちゃんと通しで集中して見たのは初めてかも知れない。で感想はというと、ストーリーはシンプルなのによく練られてるし、グレゴリアン聖歌をモチーフとしたジェリー・ゴールドスミスの音楽も素晴らしい。全体を通しての映画の緩急のリズムもいい。今では当たり前の音響装備であるドルビーサラウンドもCGもないけどじゅうぶん楽しめます。ひたひたと迫る恐怖。これぞサイコスリラー。観客の想像力を刺激するには、優れたアイデアがあればそれで充分なんです!
なによりも感心したのは、グレゴリー・ペック扮する主人公が、実の子ではないにしても自分の養子を殺そうとする、その狂気の行為に至るまでの事件、そして動機の積み重ねが丹念で、見ていてほとんど疑問がないどころか主人公に同情まで感じてしまう。映像ストーリーを動かすには動機は重要なんです。映画でも広告でも!
DVDの映像特典のインタビューを見ててわかりましたが、プロデューサーに脚本、監督、編集など、才能のある人が集まるとスキのない芸術品のような映画が出来上がる好例と言えるでしょー。また家族の愛と狂信的な啓示がストーリーに織り込まれているとあっては、そりゃ作られた途端にカルト映画の仲間入りしたのも理解できる。公開当時、笑福亭鶴光が土曜日のオールナイトニッポンで「オーメン」「コーヒー」「ライター」と連呼してたのも理解できる。そのうえ当時としても低予算。なのに世界的大ヒット。
うーん、今日も負けてられませんよ…
明日のホラ勉は「キラー・コンドーム」です。
ちなみに今年の6月6日、新オーメンが公開されます。
やっぱり公開は朝6時から? 映画のサイトはこちら。
追記:オーディオコメンタリー・監督と編集担当の会話より(カッコ内は感想)
最初のスーパーの出し方から低コストの話(金がないのはどこもいっしょ)
制作費は222万5千ドル(うち2万5千ドルはジェリーゴールドスミスのギャラ)
悪魔の話もグレゴリーペックが演じれば観客は信じてしまう(配役は重要)
撮影担当のギルバートテイラーはものの対比がうまい(スターウォーズも彼)
試写は大騒ぎ(そりゃ怖いよね)
フィルムの成功は音楽の力が大きい(何度も言ってた)
ドクターフー(聞いたことあるけど見たことない。研究しなきゃ。サイトはここ)
信じていないコトが信じられるようになる
(映画とは信じられない話を作ってそれを納得させるプロセスのことかも?)
クリーンな画面構成にグッドペース(シンプルな映像にノリのいい編集)
アリフレックス235は凄い(最近バージョンアップしたらしい)
夫が妻に言った最初のウソがラストの異常な行動のモトとなる(他人のウソは楽しい)
グレゴリーペックの「モーガン」もいい(こんど見よう)
監督が興行収入の2%をくれと言ったらPに断られた(結局監督料のみ)
Less is more(やはり真理か)
撮影中に起きた数々の不幸な出来事(怖いよ)
ストラビンスキーのリズム、バルトークも入ってる(ベスト盤買いにいきます)
最初は違うラストシーンだったがフォックスのアランラッドJr.が変えた(正解)
ラストシーンの表情には秘密があった(教えてあげない)
▼インタビューやオーディオコメンタリーは25周年の特別版DVDに入ってます!
売り上げランキング: 55,256
追悼 ジェリーゴールドスミス
聖書をモチーフとしたホラー映画の傑作