ひとつ皆様に報告があります。実はわたくし、1ヶ月ほど脳梗塞で入院しておりました。以下ちょっと長くなります。
はじまりは7月9日の会議中でした。モニタ上の文字が急に見えにくくなり、その後席に戻ると閃輝暗点(せんきあんてん)が現れました。閃輝暗点とはギラギラと光る弧状の物体が視界に現れる現象です。しかし症状は30分ほどで消えたため、大騒ぎはせず、その日は早めに帰宅することに。
ところが次の朝起きてみると、視界の左側が見えなくなっているではありませんか。これは同名半盲(どうめいはんもう)といい、視野の左右どちらか半分が欠けて見えなくなる脳梗塞特有の症状です。ここで自分に脳梗塞が起きていることを確信し、以前心筋梗塞でお世話になった病院にて即入院となりました。
入院期間は1ヶ月。MRTを2回、CTを3回、エコーを2回、採血を28回行いましたが直接的な原因は結局不明。ただし体内各所に動脈硬化と血栓を確認したため、再発防止策としてひたすら抗凝固薬の点滴を受けておりました。
それでも梗塞は入院中に数度発生し、同名半盲も左右両方に発生。視野欠損の障害が残る可能性がありました。
同名半盲がどれだけ恐ろしいかは、経験した人しか理解できないでしょう。人の顔を見ても左右どちらか半分しか認識できません。見えていない方向から人や車が来ても全く感知できません。スマホの画面も半分見えません。これでは仕事はもとより、通常の生活にも大きな障害が発生します。絵やマンガを描くのも、モノ作りも、クルマやバイクの運転もあきらめなくてはならない、そんな未来を覚悟しました。
しかし幸いなことに脳梗塞の症状はどれも数十分から数時間で消え去り、大きな障害が残ることはありませんでした。病院内では元気に過ごし、テストとしてマンガも一本描きました(後日アップします)。添付の絵も入院中に描いたものです。
最終的な病名は右視床・後頭葉脳梗塞および左後頭葉脳梗塞。8月14日に退院。
大きな障害が残らなかったのは、不幸中の幸いでした。今も目はほぼ問題なく見えています。しかし心筋梗塞に加えて脳梗塞からも生還した運の強さがどこまで続くかは、誰にもわかりません。とにかく何よりも重要なことは、再発を防ぐこと。血液内の血栓を減らし、梗塞を二度と起こさせないことです。
僕の生活をご存知の方は、妻が毎日作ってくれる健康的な減塩弁当を見たことがあるでしょう。ここ数年で8キロ痩せたし、定期的にプールで泳いでます。それが何故、と思われるでしょう。それは僕も、そして常に僕の健康に気を配ってくれていた妻も同様で、非常に悔しい思いで一杯です。だからこそ、再発の可能性は、最大限に排除しなくてはならない。
我々は『LH比』に注目し始めました。LはLDL、悪玉コレステロールを、HはHDL、善玉コレステロールを示します。L/Hの数値は1.5以下が良いとされていますが、調べてみると心筋梗塞前の数値は3.0でした。そして昨年末の数値は2.1。ほぼ同じものを食べている妻は1.5以下なので、体質も大きいのでしょう。このLH比を下げる事が当面の目標です。
そのために一番変わったことは、食事です。悪玉コレステロールを減らすため、脂身の多い肉や揚げ物などは避けるようになり、魚料理を選ぶことが増えました。家の料理にもベジタリアン向けの食材を採り入れはじめました。
二番目は運動です。善玉コレステロールを増やすには日々の運動ということで、歩く距離を増やしています。近距離のランニングも始めました。NHK『みんなの筋肉体操』で筋肉をつけ始めたのはオマケです。
加えて、血液検査と動脈のエコー検査を定期的に行うことにしました。脱水を防ぐための水分摂取も意識的に行っています。
今日から社会復帰3週間目。体調は良好です。食べ物はかなり和食傾向になり、お弁当も再開しました。ちなみにお酒は止められておりませんが、お酒と同量の水を飲むことにしています。
不在時にも仕事を遂行してくれたチームメンバー、いろいろと助けていただいた同僚諸氏に深く感謝いたします。そして献身的に看病してくれた妻と家族にも最大の感謝を。
長々とした報告ですみません。心筋梗塞と脳梗塞にはやたらと詳しくなったので、心配な方はなんでも聞いていただければ。入院中にいろいろとネタも拾いました。あと、ぜひ皆さんもご自分のLH比を確認してみてください。
ということで、脳梗塞は経験しましたが、これからはNO!梗塞ということで、今後とも宜しくお願いいたします。