アドフェストをチェックしてる人ならおなじみの、タイ健康推進財団の飲み過ぎ注意CMシリーズ最新作。
飲酒運転は自殺行為である、というメッセージが極端なほどシンプルに語られています。今年のアドフェスト、これ入賞したのかなー。最近妙にバタバタしてて、まだ今年のアドフェストのタイ入賞作品についてチェックが足りてないんですが、知ってる人がいたら教えてプリーズです。どっかにまとめサイトがあればいいんだけど。
監督は、これまたタイCMではおなじみのタノンチャイ。人の弱い所や哀しみをコメディに仕上げる天才です。笑いのセンスが、なにかこう、深いというか、心の底に触れてくるというか。
セリフはこんな感じ。
男:「酔った!帰るぞ!」
男:「乗れよ!送っていくぞ!」
男:「来いよ!」
NA:さぁ乗りましょう。死にたければ。…えっ?
S:飲んだら乗るな。
最初の楽しくポップな音楽、絶妙なタイミングで入る風の音、最後の葬送曲と、サウンドのセンスも素晴らしい。
制作はバンコクのCreative Juice\G1 (TBWA)、CDはThirasak Tanapatanakul。彼とは香港のメディアスパイクの審査で会った事があるような気がするなぁ。今手元に資料がないので忘れましたが。
そういえば日本でも昨年、飲酒運転の罰金が50万円から100万円に引き上げられています。しかしそのテの情報はテレビのニュースや報道番組で語られる程度ですよね。飲酒運転に関して、僕の知る限りではCMでオンエアされた事は過去一度もないと思うんですがどうでしょう。
2004年のアドフェストについて、資生堂の柿崎役員がタイのCM群を以下のように評していました。
タイが受賞した最高賞はじめ優秀作に共通していたことは、いかに売りたいかより、企業やモノが社会や人間にとっていかにあるべきかが主題になっていたこと。そして、アイデアが卓越していたことでした。(ACC会報より)
さて、2008年の今日、日本の広告は商品だけでなく、人間の事を考えるようになったでしょうか?普遍的な感情に正しく訴えかけているでしょうか?
とちょっと真面目になったりして。もちろん自戒も込めて。
アイデアカテゴリは、「置き換える、例える」「説明する」とします。
世界がいつも楽しみにしているタノンチャイ監督のCM、明日も新作をご紹介するのでお楽しみに。