TVC010:
“Surprise Dinner”
by DDB Los Angeles
for Ameriquest Mortgage Company
【CMストーリー】
仕事を終えて帰宅したサラリーマン風の男。出迎えに来た猫に挨拶した後、
いそいそとテーブルを何やらロマンティックな雰囲気にセッティング。
夕食の用意としてパンを切ったりしている時…
猫がスパゲッティトマトソースを床にぶちまけてしまった!
ああ、床が真っ赤に!そこに妻が帰って来て…
【コピー】
早すぎる判断は禁物です。私達は違います。
「アメリクェスト抵当会社は、誇りを持ってNFLを応援します。」
【CMアイデアカテゴリーと解説】
置き換える・例える+思いこませる+間違う
昨日に引き続き、アメリクエスト抵当会社のCM、TVC009の別バージョンです。「早すぎた判断によって引き起こされた、とりかえしのつかないひどい事件」を、旦那が猫を殺してしまった、と妻が間違って思いこむストーリーに仕上げています。Ad Meterでは009には及びませんが、堂々の8位です。この2本のオンエアに5億以上かけたこの会社は、充分モトをとったと言える…でしょう…たぶん(笑)
こちらのCMも全体がうまく構成されています。まずCMが始まってから4秒後にはストーリーの中心となる猫が出てきてます。そしてさも自然な風を装いつつ、カメラは猫の動きを追っていきます。前半に猫の存在を感じさせた後は、カメラは男の行動や性格を描いていきます。テーブルに花、料理の用意などのシーンで、彼が几帳面で、かつこの日が特別な日であることを感じさせています。
さて視聴者に対する罠は揃いました。猫、赤いスパゲティソース、ナイフ。そこで猫が事件を起こし、最後の男のポーズに至るまでがたたみ掛けるように進行します。
それはまるで、前半がジェットコースターのコースを登るようなゆっくりした展開で、後半が一気に落下していくような感覚といえるでしょう。よくできたサスペンスのセオリーですね。
ところで僕も猫が出演するCMを手がけたことがあります。だからわかるのですが、サラッとスマートに作られた印象のあるこのCM、さぞ裏は大変だったと思われます。猫がソースパンを倒すところなんて、1回2回で成功したとは思えない(笑)僕の場合、1日にホント3カットしか撮れない日もあったんですから… あの時の猫たちも、このCMの猫も、お疲れ様!
以下は昨日と同じ内容となっています。
【予測されるアドアイデア】
アメリクェストじゃないと、判断を急ぎすぎて、顧客に不利な結論を出してしまう。
【アイデアから表現まで】
1: アメリクェストは顧客のためにじっくり審査する。
2: 他の会社は早い審査・判断で、顧客に不利な結論を出してしまう。
3: 普段から人は、早すぎる判断を下されて、ひどい目に会うことがある。
(置き換える・例える)
4: その早すぎる判断は、見間違い、誤解から生じると面白い。(間違う)
5: 不利な結論が出るのが当然に見える自然なストーリーを考える。
登場人物に(思いこませる)
【追記】
ええと、この「どっきりディナー」
昨年のアドフェストで受賞したタイのCMと内容がほぼ同一ですね。
“Surprise Dinner” (30″)
client : Ameriquest Mortgage Company
agency : DDB Los Angeles
director: Craig Gillespie
country :United States
year :2005
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