先日YouTubeでレーザーハープなるものを発見したんですが、それがまぁ超未来的でかっこよかったワケです。どんな画像かというと、コレですね。
ジャン・ミッシェル・ジャールっていうフランス人の音楽家が演奏してるんですが、この人はシンセサイザーミュージックの草分けの人で、とっても古い人です。僕は80年ごろに彼のレコード を買ってます。もう29年前ですね。iTMSで買い直して未だに聞いてます。しかし、彼がレーザーハープでパフォーマンスやってたというのは知らんかった。最近の話なんでしょかね。よくわかりません。
それで話はいつものArduinoに移るんですが、ジャン・ミッシェル・ジャールに影響されてレーザーハープを自作した人がいたんです。この人ですね。しかもその自作記事が雑誌Make:の日本版最新号 に掲載されてたんです。GW前に発売されたばっかりの第六号に!というわけで僕の「GWにやりたい事第一位」はレーザーハープの作成と決定したのですが…なになに?『弦の数が多いハープを製作する前に、まずは1弦のレーザーテルミンを制作して作業に慣れるべし』と記事にあったので、その通りに作ってみたというのが今回のお話。
というわけでコレが完成したレーザーテルミンです。この正体不明な感じがカッコイイと思ってるんですがいかがでしょう。実はコレけっこうデカくて全長90センチあります。手前側にレーザー発光部と赤外線測距センサがあって、向う側には測光センサがあります。この間に手を入れるとレーザーが遮られてMIDIのノートオン信号が流れます。それと同時に測距センサからの距離に応じてピッチベンド情報が送られて、MIDIで接続されたシンセサイザーの音が鳴るという仕掛けです。手をレーザー発光部に近づけると音が低くなります。普通のテルミンと逆ですね。台の上にある丸い物体は音階の目安用の磁石。コレがないとデカすぎて正確に演奏できません。なんとなくフルートっぽく見えるんで気に入ってます。
これがレーザーの発光部。1個500円。秋月にて購入。しかしこれが赤色レーザーなんですよねぇ。緑色レーザーの方がカッコイイんだけど、1個6500円するのであきらめました。さてコレ500円と安価ですがレーザーはレーザーなので、光を裸眼で見るのは禁止されてます。網膜を確実に痛めます。そういう危険な部分もあるので、このサイズのレーザーテルミンが市販される事は永遠に無いでしょー。
こちらが回路部。下の緑色の基盤がArduinoです。彼が各センサからの情報を判断し、計算してMIDIデータを送信します。完成後、音はすぐ出るようになったんですが、測距センサからのピッチ情報を安定化させるのに苦労しました。なるほど雑誌Make:が『まずは1弦のテルミン制作から始めるべし』と言ったのは、各自ここで独自のノウハウを取得すべしと、そういうことですね。わかります。
というわけで完成したレーザーテルミンを演奏した映像がこちら。
途中から暗くなっちゃうんですけど、なんでこんなに暗くしたかというとレーザーの光を見せたかったからです。しかし真っ暗ですね(笑)。まぁそんなわけでGWを費やして制作したレーザーテルミンですが、完成してからいろんな気づきがありました。
1)まずはやっぱりArduinoは偉いという事。元々電子工作は好きだったけど、レーザーでMIDIをコントロールする機器を自分で制作することができるなんて考えた事もなかった。これまで電子楽器制作はプロの領域だったし、コンピューターをいじるのはエンジニアの仕事だった。そんな定義が少しずつ壊れてきているのを実感してます。コンピューター遊びの幅は確実に広がってるね。
2)次に、フィジカルコンピューティングの未来は明るいということ。Arduinoがあることで、電子の事を詳しく知らないデザイナーやアーティストもいろんなアイデアを実現させることができます。アートの世界も変わって行くでしょうな。これはですね、相当面白くなりそうですよ。
さて、6弦ハープの作成はいつになるのか。。。それは乞うご期待ってことで。
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