昨夜は九段の成山画廊で開催されている「松井冬子下図展」のオープニングレセプションへ。
これまでに発表されてきた数々の松井作品の中から、現在森美術館「医学と芸術展」で展示されている新作「無傷の標本」を含めた7点の下図が展示されており、小さな画廊内には濃厚な時間がゆったりと流れてました。ワントゥワンで松井さん本人による作品の詳細な解説を頂く事もできました。
ここでの「下図」とは本画を描く前の下絵の事で、画材は全て鉛筆です。人体の内蔵や骨格が顕になる事が多い松井さんの絵でも、まず描かれるのは通常の人体デッサン。一般の画用紙に描かれる「下絵の下絵」が仕上がると、その上にトレーシングペーパーが貼られ、体内の構造や骨格、垂れ下がった内蔵などが追加して描かれます。その薄紙の重なりからは、松井さんの思考のプロセスと時間の流れを感じ取る事が可能で、単なるドローイングの鑑賞ではなく絵が完成するまでの「ストーリー」を眺めているような気持ちになりました。
展覧会は今月26日まで。ぜひ会場で下図に圧倒されてください。
松井冬子「無傷の標本」大下図 2009年
Matsui Fuyuko Etude for Virgin Specimen 2009
「松井冬子下図展」 Drawings by Matsui Fuyuko
2009年12月4日(金曜日)〜12月26日(土曜日)
December 4 (Fri) – December 26 (Sat) 2009
成山画廊:
東京都千代田区九段南2-2-8 松岡九段ビル205号室
(地下鉄九段下駅 2番出口 武道館側)
Tel/Fax:03-3264-4871
営業時間:月、火、木、金、土 13時から19時まで
:水、日、祭 休廊
Open: 13-19 PM (Closed Wed.Sun.Holidays)