【人間50年】本日50歳になりました。まあ誰しも生きてれば50にはなるのですが。『人間の一生は所詮50年にすきない。天上世界の時間の流れに比べたらはかない夢や幻のようなものである』信長が語ったというこの言葉を知ったのは高校の時でした。宇宙から見ると一瞬でしかない50年、自分で振り返っても長いような短いようなこの時間の中で、自分は何か出来たのかな?というと、まぁちょっとは何かが出来たのかなぁなんて勝手に思っています。
【バブル】さて、50歳。いわゆるバブル世代の最後の方で、この世代の皆がそうであるように、楽しいことは大好きです。もう大音量のクラブはいいかなーと思いますが、騒ぐことは性に合っているようで、この週末も50歳のパーティーを開催します。うちの部員からは『阿部さんパリピですね』と言われましたが、そこは全く否定できません。しかし楽しいことが好きの反語は、つらいことが好き、です。そんな人がどこにいるでしょうか。まぁそんなこんなで、自分はけっこう好きな事をやってきたと思います。落ち着きがない生徒、通知表には常にそう書かれていました。
【好きなこと】とはいえ、自分が騒ぐだけでなく、人を驚かせたい、笑わせたい、感動させたい、人の心を動かしたい。小学生のころからそんな事を考えて現在に至っているわけですが、ずっと思ってきたのは、自分は何かを作る人になろう、という強い想いでした。人の心を動かすには、そのための何かを作らなければならない。幸いなことに作るという行為は小さい頃から大好きでした。何かを作り続けている間は、どんなに時間がかかっても全く飽きるということがありません。50年の中で、作るという事への情熱は何一つ変わっていません。そういう意味では、この人生、基本的に幸せに過ごしてきたと思います。
【電子工作が好き】またこの数年で言えば小学生の頃の電子工作への強い想いが再燃しているのですが、面白いことに、仕事である広告の一部分が、向こうから僕の趣味の世界に近づいて来ました。広告の仕事を始めた1990年頃には全く想像もしていなかったのですが、これは幸運であったと言えるかも知れません。好きだったアニメの世界やロボットや電子工作など、オタクとして世間から忌み嫌われていた部分が、仕事にも生きる世の中になりました。本当に、人生何があるかわかりません。
【未来が好き】さて作るという話を続けますと、電子工作やロボットが好きというのは、要はSF的なものが好きなわけで、未来的なものが大好きなわけです。もちろん未来には良い部分もあれば、負の部分もあります。地球や人類が抱える問題に対して、テクノロジーは決して万能ではない。それでも僕はもっと未来を見たいし、知りたいとずっと思ってきました。
【今までになかったものを】では未来を知るための一番の近道は何か。それは自らが未来を作りだすことだと思います。そのために必要なことは、健康に加えて、好奇心を持ち続けること、そして現在に無い何かを探し続けることでしょう。僕はそうやって生きてきたと思います。それは苦しい事であるのと同時に、とても楽しい事でもありました。電子工作好きで機械好きだった10代の頃はエンジニアになりたいと思っていました。それが建築学科に進み、広告の道に進んだ。エンジニア的ではない方向に進んだ。では広告の世界で何を作れば良いのか。それは自分としてはやはり『これまでに存在していなかったもの』になるのです。自分で未来を作ることが未来を知ることだと言いましたが、広告のなかでも、『今までになかったもの』を作れば、それは広告価値があるのと同時に、未来にも繋がります。そして僕は広告以外の人生でも、今までになかったものを探し、作り続けています。というわけでいま、僕は生きていることが楽しくてしょうがないのです。これまでになかった物を作り続けること、これを目標として生きる事は、自分の幸せであります。
【通過点】人間の指が10本あることから、我々は10進法の世界に生きています。これにより年代を10年で分けることが慣習となっていますが、それは偶然の産物でしかなく、50という数字に意味はありません。ただ、ひとつの区切りであることは間違いなく、ここまで生かされてきたことには本当に感謝しています。この幸運をもとに、これからも皆が驚く何かを作り続けていきたいと思います。今度とも、よろしくお願いします。