2000年頃のある日、突如アイデアが頭にひらめき、携帯用の黒受話器を猛然と制作する。そして携帯より重くて大きいというたいへんバカバカしくも楽しいものが完成した。
そのころといえば携帯電話は「軽く・小さく」がキーワードで、重量が100gを切ったP201が大ヒットしていた時代。そして交換用のスケルトンボディなどが売られ、携帯電話のカスタマイズが大流行していた頃。
受話器は本物でずっしりとしたモノ。船舶通信用受話器を流用。長電話しても疲れない。握る部分のスイッチに配線を施し、携帯電話に触れることなく電話を取ったり、切ったりできる。
完成後、三宿のバーでみせびらかしていたら見知らぬオヤジに2万円で買われてしまう。その後友人達にも制作を頼まれるようになり、10台ほど制作・販売した。「これは売れるのではないか」と事業化を計画し、実用新案まで取得し、「課長、お電話ですよ」という商品名まで考えたが、似た製品が大手おもちゃメーカーから出るということがわかり商品化を断念。その後2000年9月に某社から発売された「なんちゃって黒電話」を見てみると、大きさも重さもリアルな受話器の半分ぐらいの完全なおもちゃ仕様。こちらは本物・高級;・オトナ仕様ってことでそのまま商品化すれば良かった〜と思い、がっくり(笑)。
この黒受話器、今も一台持ってて、ちゃんと動きます。これってクルマの運転中に使ったら捕まるのだろうか…