TVC005:
“Sense”
by Wieden + Kennedy UK Ltd
for Honda
【CMストーリー】
電車が来た時だけ電灯が点くプラットフォーム。人が見ていない時はオフになるテレビ。使われていない時は勝手に止まる水道。それは…
それは「モノ」が感覚を持ち、人に使用されているかどうかを判断し、自分で消費パワーをマネージメントしている世界。ナレーション「使われていないことを『モノ』が知るようになれば、どれだけエネルギー消費が削減されるでしょうか?」「ホンダ IMAシステム」
【CMアイデアカテゴリーと解説】
ありえない映像をリアルに作る+置き換える・例える+繰り返す
2004年、カンヌでブロンズを受賞したイギリスのホンダのCMです。IMAとはインテグレーテッド・モーター・アシストの略で、ホンダ製ハイブリッドエンジンの総称。このエンジンシステムの広告を、ワイデン&ケネディUKはとてもスマートな手法で表現しました。
そこで描かれているのは、とてもリアルに表現された、想像の世界。60秒をフルに使い、ひとつひとつの出来事を丹念に、丁寧に描くことでリアリティと説得力を獲得しています。
【アイデアから表現まで】
アドアイデアは
『世の中のエネルギーの無駄な消費を減らすこと、
それがIMAシステムのコンセプト』
でしょうか。ちょっと違うかな…とりあえず今はこうしておきます。
アイデアから表現への流れは…
1:『世の中のエネルギーの無駄な消費を減らすこと、それがIMAシステムのコンセプト』
2:そのシステムを日常の生活に当てはめて、映像化する。「言い換える・例える」
3:説得力を獲得するために、その映像は合成などを感じさせないように、高品質に制作する。
「あり得ない映像をリアルに作る」
4:映像の意味を観客が理解し、確信を持つまで何度も「繰り返す」。
こうやって、高い知性を感じさせるCMが完成しています。クルマのエンジンを全く見せていませんが、そのおかげでコンセプトが明確に伝わり、「説明くさくない」仕上がりになっていると思います。
IMAのロゴの3文字の見せ方もエネルギーをケチっていて(笑)全体のメッセージが貫かれています。
またこのCMで注目すべきは、素晴らしいオリジナル音楽でしょう。淡々とリズムが進行する中、やわらかく上下するコーラスが、モノが知性をもって生きているように描かれている架空の映像にシンクロしています。この音楽を担当したのは数多くの賞を受賞しているロンドンの音響制作スタジオ、「750mph」。もしお時間があれば彼らのサイトを訪問してみてください。彼らのリールには僕が以前から好きなCMが並んでましたよ!
“SENSE” (60″)
client : HONDA UK
agency : Wieden + Kennedy UK
director: Peter Thwaites
country :UK
year :2003
▼gallianoも感銘を受けました。本田社長最高!
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