さてイスタンブールから帰国してずいぶん経ってしまいましたが、そろそろ総括しなくちゃ、ですね。前のエントリをアップしてから会う人会う人に「イスタンブールいいっスねー、しかし何してたんスか?」と聞かれて、なんとなく説明責任を感じております。というわけでまとめてみました。
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まずイスタンブールに行った目的については前エントリにあるのでそちらを参照いただくとして、とにかくいろいろと学びと収穫のあった出張でした。そう、仕事で行ったんですからね!
歴史好き全員が訪れるべきアヤソフィア
4日間続いた会議の基本は、レオのグローバルネットワークで作られた広告作品の社内採点会です。アレが良いとかコレが悪いとか皆で言うのですが、もちろん全て英語です。東京の会社で外人を交えて会議するときは必ず通訳スタッフが入るのですが、もちろんイスタンブールではそんな人いません。日本人は僕一人。そんな中でレオのチーフクリエーティブオフィサー、マーク・タッツェルに「阿部はどう思う?」とかいきなり聞かれるわけです。もう必死でしたね。僕の意見が皆に伝わったかどうか、よくわかりません(笑)
10点満点で7以上を目指す
でも、実は英語圏の人の方が少数派。イスタンブールという土地柄もあってか、中東近辺からの参加者が多数を占めていました。たとえばベイルート、カイロ、ドバイ、ワルシャワ、さらにはモスクワからも。なるほどグローバルエージェンシー、世界のあらゆる所に支局がありますね。しかも、彼らから提出された作品群が良かったんですよ。特にカイロのCMのギャグセンスとモスクワのインタラクティブ作品が素晴らしかったですね。世界で皆ががんばってるなぁ、と思った次第です。
審査中の机、ランチを食べつつ
ということで、参加者の英語もすいぶんと訛ってました。たとえば中東らしい発音で、アンダルスタンドゥ的ってわかる人いますかね? でも全員に通じちゃうんですよねぇ。論理的で説得力のある主張は訛っていてもしっかりと伝わって来ました。そこで再確認したのは、僕たちの業界では人種や国籍の壁を超えて、アイデアのあるモノ、皆の心を動かす作品を作る人こそがエライという事です。実にリベラル。このことに対する皆の思いは強く、いいモノを作るぜおりゃ!という結束が地球レベルで固まった会となりました。これを毎年4回、世界各地で開催しているレオ・バーネットは、なかなかなものだと思います。友人もたくさん出来ました。
イスタンブール支局主催の船上パーティー
さてイスタンブールの街について。これも発見だらけの日々でした。大都市というほど大きくはありません。しかし黒海と地中海を結ぶボスフォラス海峡を常に監視できる重要拠点であり、景色を見ながら歩くだけで世界でも有数の歴史を持つ都市であることが伝わって来ます。500年に渡ってオスマン・トルコ帝国をコントロールしてきた都市。シルクロードをアジアから旅して来た商人が必ず通る街。荷物を背負った彼らが目にした景色が今でもそのまま、眼前に広がります。この景色に感動しない人は皆無でしょう。特に夕景は震えるほどの美しさ。日本でゼッタイ見る事がないような超大型客船が毎日寄港してるのも、ヨーロッパで人気の街である証拠でしたね。
ガラタ塔からの美しい景色
トルコはその国民の99%がイスラム教徒です。だから街はモスクだらけ。その特徴的な突塔(ミナレット)からは、1日に何度もコーランが大音量で響き渡ります。それがまた、ああ遠くまで来たなぁと、旅情を感じさせます。
この夕景が毎日繰り返される
遥かなる遠い街を訪問したのに、グローバルに繋がっているクリエーティブな感情を共有して帰国する。今回の出張も他では得難い体験でした。外資系のECDをやるっていうのは、こういうことですね。ところで日本の成績ですが、7をひとつ、8をふたつ獲得しました。これは素晴らしい結果だったのですが、それでもロシアとカイロには負けました。うむむ、次は見てろ!