TVC043:
“Crab”
by Wieden + Kennedy, Portland
for Nike
【CMストーリー】
街の空き地にて。突如マンホールから蟹のような機械生物が2体現れる。履いているのはナイキのシューズ。向かいあった彼らは、何やら気合いの入った戦いをスタートして…
【コピー】
NIKELAB.COM
【CMアイデアカテゴリーと解説】
あり得ない映像をリアルに作る+擬人化する
わたくしが小学生のころ、学研から「メカモ」という組み立て式ロボットのシリーズが発売されてました。その中でも尺取り虫の形をしたロボットが好きで親にねだって買ってもらった記憶があります。うれしいことにそのロボットは、約30年の時を経て、当時とほぼ同じの、こういう形で最近再販されました。邪魔になるんで買ってませんがやっぱり欲しい…(笑)
さて今回のCMの主役は蟹型ロボットです。彼らがナイキのシューズを履いて、空き地でサッカーしてます。他には何もないシンプルなCM。では、この広告の目的は何なのでしょうか…さっぱりわかりません。ナイキラボっていうぐらいだから、「ナイキのシューズは未来的な研究所で最新テクノロジーを使って設計されています」というメッセージを伝えようとしているのでしょうか。あるいはTV番組のオープニング映像なのか。
もしかすると、これらのロボットはラボで研究用に作られたモノだ、という設定なのかも知れませんね。ある日彼らは研究所でテストされる日々に飽きてしまい、もっと遊びたいがためにラボを逃げ出して下水道の中で生活を始めたのでしょう。…なんて夢想してしまいます。しかしこんなストーリーを示唆するような演出は全くありませんね(笑)でも、ロボット好きのわたくしにとって、この映像が無条件にかっこいいのは事実。
ま、メッセージがよくわからないので、アイデアカテゴリーはあり得ない映像をリアルに作る+擬人化するなど、単なる表現アイデアレベルでしかくくれませんでしたよ…これがCMだとすると、よくゴー出しましたね。ナイキ。
ふと思ったのですが、日本ってロボット大国とかよく新聞に書いてあるし、浦沢直樹さんの「PLUTO」なんてマンガ大賞をとったりしてるのですが、魅力的なロボットがCMに出るようなことはほとんどありませんね…ロボットといえばアトムとガンダムあたりで想像力が止まっているような気もします。よし、近い将来にロボット企画を出してみようっと。センス・オブ・ワンダーが溢れるような企画を。
“Crab”
Agency: Wieden + Kennedy, Portland
Advertiser: Nike
Production: The Embassy Visual Effects Inc.
Length: 40 seconds